「夫婦別姓ってもう認められてるよね?」
興味ない人からすればそんなものなんでしょう。
認められていません。
夫婦別姓が認められていないのは世界でも日本とジャマイカとインドの一部宗教くらい。
先進国では日本くらいです。こんな非合理的な制度を強制しているのは。
何が非合理的かって?
手続きの手間
姓が変わる、つまり名前が変わるんです。
印鑑、銀行口座、免許証、パスポート、名刺、資格その他証明書etc…
結婚したというだけなのに膨大な手続きが待っています。
その平日にしかできない手続きのために会社を休んでも手当てなんて出ない。
それどころか、会社や株の所有者だったら名前変更のために手数料まで取られかねません
実際に、サイボウズ社の青野社長は株式の名義変更に81万円もかかったそうです
キャリアへの影響
日本のビジネスにファーストネームで呼び合う文化はあまりないと思うので、上司も部下も取引先も旧姓で認識しているはずです。
名刺も、もしかしたらメールアドレスも苗字。
”ネームバリュー”が存在するくらいの活躍を既にしている人だったら特に、改姓の影響は計り知れません。
旧姓を通称として使えば良いという話もあるかもしれません。
確かに、名刺やメールアドレスは旧姓のままでも良いでしょう。
でもパスポートが改姓されているのに会社が旧姓で予約をとってしまったら?
会社が旧姓で予約した場所で、新しい苗字を名乗ってしまったら?
名前を複数持つということは、あらゆる場所で不都合が起こりかねないのです。
プライバシーの侵害
結婚、離婚の度に名前を変えていたら、家庭で何があったのかが名前を知る人全員にバレてしまいます。
「あなたまだ名前変わらないのね、結婚は?」
なんて、一々聞かれたくないじゃないですか。
精神的苦痛
苗字を変えるって、嫌な人は嫌だと思います。
それまでの人生で何十年も慣れ親しんできた名前を手放すんです。
しかも、普通の親は苗字との組み合わせまで考えて下の名前をつけています。
「佐藤あん」が小倉さんと結婚したら「小倉あん」です。
ちょっと嫌じゃないですか。
さらに、多くの場合女性が苗字を手放すことになっているせいで、生まれた瞬間から「名を残せる子供」と「名を残せない子供」に分けられてしまいます。
性別だけで将来の役割を決めてしまうのは、どうなんでしょうか。
日本では「夫婦どちらかが改姓する」ことになっています。
でも、96%は女性が改姓している。
96%は女性がこれらの不都合と面倒を全て被っているんです。
国際連合は過去に3度も夫婦同姓制度に廃止勧告をしてきました。
日本は未だに別姓の選択肢を与えていない、女性に夫の姓を強制している女性差別の国だと世界に言われている訳です。
それでも日本の2015年の最高裁判決では、夫婦同姓が廃止されることはありませんでした。
ちなみに、この時の女性裁判官は15人中3人。
3人全員が違憲判決を出しています。
今、新しい希望が見えています。
サイボウズ社長の青野氏による夫婦別姓訴訟の判決が2019年3月に出される予定です。
2015年の夫婦別姓訴訟では、改姓することで受ける精神的苦痛や、96%が男性側に改姓していることが女性差別に価する、という点を問題にしていました。
しかし青野氏の論点は、上に述べたような、改姓に伴う実利的不都合を夫婦のどちらかが必ず負わなければならないこと。
実利的な話を出した分、違憲判決を取れる可能性は高そうです。
不便なだけなら通称を法的に認めれば、という話も出てきそうになってはいますが、私はそれでも良いから早く改姓に伴う面倒を解消してほしい。。。
不都合があっても良いから改姓したい、という人は改姓する、
不都合が嫌な人は改姓しない。
その選択ができるようになるのが選択的夫婦別姓制度です。
そのくらいの自由があっても良いのではないかと思う、ハヤブサでした。
2019年3月の3月の判決の結果と、江戸時代から今に至るまでの夫婦の氏についてはこちらの記事
【選択的夫婦別姓訴訟】歴史から考える「今」起きている事