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『心霊探偵八雲』が面白い!ネタバレなし

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私が最初に心霊探偵八雲を呼んだのは中学生の頃。
面白い!と思ったものの、その時点で出ていた巻を読み切ってからはその存在を忘れていました。
最近になって、心霊探偵八雲の最終巻となる12巻が発行されたことを知り、昔何巻まで読んだのかも覚えていないので1巻から全て読み直し。

面白かった・・・!
1日1冊読んであっという間に最終巻。

ここでは、ネタバレは書かずになぜ心霊探偵八雲が面白いのかを紹介したいと思います。

心霊探偵八雲シリーズ 簡単なあらすじ

主人公、斉藤八雲は死んだ人間の魂が見える赤い左目を持つ大学生。
同じ大学の小沢晴香は、心霊現象を体験した後様子がおかしくなった友人を助けるため、八雲を尋ねます。
ダルそうにしているものの、何やかんやで晴香に協力する八雲。
八雲には刑事の知り合いや僧職の叔父がおり、彼らにも協力を仰ぎながら事件を解決していくというストーリーです。

1巻で1つずつ心霊現象の相談が八雲に持ち込まれるというパターンですが、それらはただの心霊現象ではなく、警察も関わるような殺人・強姦・拉致監禁事件に繋がっていきます。
死んだ人間の魂が見えるという特殊能力も駆使しながら、頭脳明晰な八雲がバラバラに思えた複数の事件から真実を導き出します。

心霊探偵八雲の面白要素とは

心霊探偵八雲は、タイトル通り推理小説要素がありますが、普通の推理小説とは異なります。
それもそのはず、死んだ人間の魂が見えるという特殊能力があるので、推理小説としてはルール違反です。

私は普段は推理小説は読みません。
読んだとしても、謎解きにはあまり興味がなく、動機や探偵自身の人間っぽい部分に惹かれるタイプです。
名探偵コナンでも、どう殺したかより何故殺したかの方が興味があるし、事件そのものより蘭との関係や黒の組織との攻防の方が面白い。

同じタイプの人なら心霊探偵八雲にもきっとハマるはず。
赤い左目を持って生まれてしまった八雲の葛藤、晴香×八雲をはじめとする登場人物の恋愛事情、八雲の暗い生い立ちと葛藤。
ただ推理して事件解決、ではなくて、1冊ごとに八雲自身の謎が明らかになり、成長していきます。

これは筆者が元々ヒューマンドラマを中心に書いていたことに起因するのでしょう。
推理ものとしては、最初から犯人が予想ついてしまったり、幽霊が憑依して事件を起こしたというような推理小説としては成り立たない設定があったりするので微妙です。
推理小説として楽しむのではなく、赤い目を持って生まれてしまったことで苦しい人生を送ってきた八雲の成長や、明らかになっていくその生い立ちに注目するから面白いのでしょう。

また、人は死んだらどうなるのか?
というような死後の世界について考えたことがある人にとっても、面白い設定だと思います。
八雲に死んだ経験があるわけではないので、死後の世界が描かれているわけではありません。
それでも、頭脳明晰な上に死者と会話することもできる八雲の推論なので、なかなか現実味のある「死後の世界」をイメージすることができます。

死後の世界と幽霊の設定

心霊探偵八雲で描かれる死後の世界や幽霊の設定が面白かったので、まとめておきます。

幽霊は物理的な影響を及ぼすことはできない

幽霊は魂だけの存在で肉体を持っていないので、物理的な影響を及ぼすことはできないことになっています。
幽霊が物を動かすといったポルターガイスト現象はありえないとされています。
従って、幽霊が人を殺すというのもあり得ないです。

例え幽霊が見えてしまっても、自分に物理的な影響は与えないと思えば怖くないですよね。(笑)
窓に血の手型がついたり、幽霊の声が聞こえたりしても、殺されることはないと思えるようになったのでホラー映画も見れるようになりました。

幽霊に憑依されることはある

幽霊が物理的な影響を与えることができないなら怖くない!と思うのですが、憑依される危険性はあります。

憑依とは、自分の体に他人の魂が移植されたような状態だとされています。
臓器の移植ですら血液型やら何やらの適合検査がありますよね?
臓器よりも人間の中枢である魂の移植なので、適合することはまずないです。
他人に憑依した幽霊はその肉体を自由に動かすことができません。
憑依された人がまともにしゃべることもできないのはこのためです。
幽霊は憑依した肉体を休ませたり、食べさせたりすることもできないので、憑依された側は、幽霊に体を操られながらもだんだん衰弱していきます。

この憑依現象は臓器移植と同じように血縁関係が近いほど適合する可能性が高いとされており、家族に憑依すれば結構動けるみたいです。

死んだら即幽霊になる訳ではない

魂だけの存在になって現世に残ってしまうのは、現世に思い残すことがあるからだとされています。
強い思いがあるから、現世にとどまってしまう。
幽霊が見える八雲が苦しんでいるのもこのためで、恨みや悲しみを持った助けられない魂ばかりが見えてしまうのです。

また、死体を掘り返されたりすると魂も地上に出てくるようになるみたいです。

では、現世への思い残しがなくなった魂はどこにいくのか?
それは、八雲も死んだ経験はないので分からないそうです。

さいごに

ドキドキハラハラさせてくる八雲シリーズ。
途中何度も危機が訪れますが、最終的にはハッピーエンドです。
いや、ハッピーではない部分もあるにはありますが、、、

基本的に最後まで気持ちよく読めるので、是非読んでみてください!

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