品川で開催していた、サンローランの「唯一無二の女性展」に行ってきました。
サンローランは1966年にイヴ・サンローランが立ち上げたフランスのファッションブランド。
イヴは10代からモデルとして活躍していたベティ・カロルーに「一目惚れ」し、唯一無二のソウルメイトとしてモデルを依頼するようになります。
ベティは非常に中性的な見た目で、背が高く、細い。シャネルのモデル経験もあるようです。
イヴのブランドは男性のワードローブを女性向けにアレンジしたもので、パンツスタイルのユニセックスなものが特徴的です。
ベティ・カロルーは昔から男性的なものを好んでいたようで、サンローランを素晴らしく着こなしました。
唯一無二の女性展は、サンローランスタイルを体現する存在であるベティを紹介する展覧会でもあります。
ベティ自身も動画で語っていましたが、ベティのスタイルは特徴的で、誰にも似ていません。
背は高く、胸や尻はコンパクトで、でもその細さに女性らしさを感じるスタイル。
誰にも似ていないというのが非常に幸運だった、誰とも比べられないから、とベティは語っていました。
女性的な特徴はあまりないのに、セクシーで、エレガント。
サンローランブランドの着こなし方も、男性的と言いながら胸の開いたサファリルックや、シャツを身に着けないタキシードなど。
男性ワードローブの実用性を残しつつ、女性特有のエレガンスをプラスするサンローランのワードローブが本当によく似合っています。
軍服をルーツとするサファリジャケットをユニセックスアイテムとしてアレンジしたり、当時の反抗的な若者文化を代表するような黒いレザーを多様なアイテムに利用したり。
イヴ・サンローランのデザインはなかなか挑戦的。
私はファッションにはあまり興味がないし、ウェーブ体系の私に超ストレート体系のベティのような着こなしはできないけれど、ベティが着るサンローランは、作品として楽しめました。
男性的なものも着こなせる強い女性像。実用的で、媚びていなくて、でもエレガントでセクシー。
服そのものというより、ベティが着るサンローランを楽しめる展覧会でした。