成田山新勝寺の第89回写経大会に参加しました。
新勝寺にお参りしたことはありましたが、写経をするのは今回が初。精神統一や瞑想に興味があったので、写経も楽しめるのではと思って予約しました。
会場は大本堂ではなく、光輪閣。ネット上には案内が少なく、8:30と書かれているのが受付開始時間なのかイベント開始時間なのかも分からなかったので8時過ぎに着くように行きました。
結局8:30から受付開始で、イベント開始は9:30でした。
受付を済ませて会場に入ると、写経セットが用意された机の席。
正座しなくて良いのはありがたいです。
こちらが本日写経する般若心経
筆と経香は記念品として持ち帰ることができます。
写経を始める前に皆でお経を唱えます。今日写経する般若心経も唱えました。これで写経する内容の読み方も分かったはずですが、まあ1度で覚えられるはずもなく、ですね。
心を鎮めて、写経開始。中学校以来に使う筆と硯で一字ずつなぞります。
昔のお坊さんたちは、ブッダのありがたい教えを後世に残そうと必死に書き写したんでしょうが、現代の私たちは既に印刷されたものをなぞるだけ。
それでも、写経は功徳を積める修行とされています。
『法華経』では「経を受持し、読み、誦し、解説し、書写す…善く菩薩の道を行ず…大願を成就す」と説かれており、これを五種法師というそうです。
- 受持:仏を信じ、お経にふれること
- 読み:お経を読むこと
- 誦し:暗記して読むこと
- 解説し:お経の意味を人に説明すること
- 書写す:写経
今でこそ簡単になった写経も、字の読み書きができない人も多くいた昔は、できる人は少なく、かかる労力も大きなもので、立派な修行だったのでしょう。
この労力の対価ということなのか、写経の最後に願い事を書くことができるようになっています。
家内安全、身体健全
先月に祖父を亡くしたこともあり、改めて家族と自分の安全・健康を祈りたくなり、思いを込めて書きました。
写経の時間としては1時間程度しかとられていなかったので、ゆっくりやっていたらギリギリになってしまいました。
写経後は短い説法を聞き、大本堂に納経しに行きます。
大本堂では毎日数回「お護摩」という御祈祷が行われています。護摩木という特別な薪を焚き上げて、願いごとの成就を祈る儀式です。通常は、お護摩札を申し込んで願い事を書き、それを火に当てるのですが、写経大会参加者は今写経した用紙を火に当ててもらいます。
焚きあがる炎と、お腹に響く太鼓の音が印象的でした。
写経用紙はその後平和大塔に納められ、毎日僧侶に供養してもらえるそうです。
第89回写経大会はこれで終了。
以前の写経大会では精進料理がふるまわれたりしたそうですが、コロナ対策をした新しい形での開催、ということで今回はなしでした。
お護摩の見学がない写経だけの参加なら予約なしでもいつでもできるので、また行ってみても良いかなと思いました。
最後に、帰りに食べたなごみの米屋総本店の茶房の山菜そば