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仕事が苦しくなくて不安

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今回は、森岡毅さんの『苦しかったときの話をしようか』を読んで感じたこと。

USJのV字回復を達成した、元P&Gの森岡さんが、就活生の娘宛に書き溜めたメモを書籍にしたもの。
就活生向けとはいえ、就活は長いキャリアの第一歩に過ぎないので、結局はキャリア形成の話になっている。

人間はそもそも平等ではないから、自分の特徴を理解し、それを磨き、活かせる環境を選ぶしかないという話に始まり、自分の強みの見つけ方や自分のブランディングの仕方が書かれている。

私は社会人3年目。自分の就活が失敗だったとは思っていないが、今後のキャリア形成に関する話として読んでいた。
今の仕事でそれなりに認めてもらえるのも、自分の強みを活かせる環境にいるからだと思う。
そんな大層な根拠があったわけではなかったけれど、多分向いていると思った場所に飛び込んで、たまたまそれが当たっており(もしくはアサイン担当が優秀だった)、持ち前の地道さで強みを磨くこともできたというラッキーパターン。
そんなラッキーが今後も一生続くわけはないので、自分のキャリアを自分でコントロールするために、就活が終わった今も自分の特徴を理解し、ブランディングしなければならない。

でも、私が本当に心を揺さぶられたのは「苦しかったときの話をしようか」の章だった。
森岡さんの今までの人生で、苦しかった時期の話が書いてある。
劣等感に苛まれたり、自分が正しいと思えない仕事をしなければならない立場になったり、周囲に認められず無価値だと感じたり。
人は自分の存在価値を信じられなくなった時に辛くなる。
その状態は想像に難くない。

しかし、挑戦しているから不安になるのだ。
不安を感じているから、「生きている」と思えるのだ。

私はそんな経験していない、と不安になった。
奢っていると思われるかもしれないが、入社した時からそこそこできる方だった。
その後も3年間、ことあるごとに部内表彰を受けてきた。
大学の友人が行ったような、他人との折衝や営業や斬新なアイディアを必要とされるような仕事だったらこうはいかなかっただろう。
これは私が自分の強みを活かせる環境にいるからなのか、それとも、、、。

今までの仕事で「不安」を感じたことを思い出してみた。
英語でしなければならない、自分が担当するソリューションの技術教育を任された日。
初めてクライアントに要件ヒアリングをした日。
自分が開発に関わっていない上、自分が今まで開発したモデルより大きいモデルの初期流動を担当することになった日。

発生した時期順に書いているのに、「不安」のレベルがだんだん下がっていることに気づいた。
入社した頃は社会人経験というのが初めてなのだから、その時期の方が何でも新鮮に、何でも不安に感じるのは分かる。
あの頃は何をしても挑戦だった。
でも今は?

私はいつの間にか、自分の強みをそのまま認めてもらえる環境に甘えて、強みを磨くことも、挑戦することもやめてしまったのではないだろうか?
不安を感じない、安全な圏内にいても存在価値を認めてもらえる環境に、慣れてしまったのではないか?

死ぬときに「何の失敗もなかった」と言える人生なんてつまらないと森岡さんは言っていた。
その通りだ。
何の挑戦もせず、何の不安も感じず、どうやって生きていると実感できるだろう。

最終的にどうなりたいのか、キャリアを戦略的に描かなければならない。
そこに向かって、セイフティーゾーンを飛び出して挑戦しなければならない。
血尿が出るくらいの不安に、立ち向かわなければならない。

安穏な人生だったと思って、死にたくないもの。

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