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J.Scoreから信用スコアを考える

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YouTubeで流れてきた広告に気になるものがあった。
『J.Score』
提供した情報をもとに「AIスコア」なるものが測定され、読書や運動量といった習慣によってさらにそのスコアが変わるらしい。

「自分の可能性をAIでスコアにする。そういう時代」
というキャッチコピーもなかなかイケている気がする。

https://www.jscore.co.jp/

J.Scoreは何をしている?

J.Scoreはみずほ銀行とソフトバンクによるジョイントベンチャーで、2017年9月にはサービスを開始していた。
みずほ銀行が融資というメリットを提供し、データを出させ、ソフトバンクがそのデータを作ってもっと賢いAIを作ろうとする、、、というストーリーが目に見えるようだ。
みずほとしても、自分のスコア算出に興味を持つような、融資先として良い層を顧客として開拓できるなら良かったんじゃないだろうか。
今の所AIスコアを利用して享受できるメリットは融資だけのようだが、今後色々なサービスにAIスコアを活用できるようにすると発表されている。

2017年9月スタートということは、もうとっくに様々なサービスを開始していそうだが、今のところ融資(AIスコア・レンディング)以外のめぼしいサービスは「AIスコア・リワード」くらい。
「AIスコア・リワード」は算出したAIスコアの高さに応じて、英会話レッスンやホテルの宿泊などの優待が受けられるというもの。
クレジットカードによくついているレベルのものなので、AIスコアの活用というより、優待を提供している企業の広告のような気がする。
優待を提供している企業は6段階のスコア情報しか受け取っていないという情報もあったので、個人データ売買でもなさそうだ。

国内の他の信用スコアといえば、LINE scoreというサービスが2019年6月に発表されている。
J.Scoreと同じように信用スコアによって融資を受けることができるのだが、こちらはLINEへのロイヤリティを高めるための仕組みだと思われる。
スコアアップにLINEの利用状況が関係している上、LINE Pay関係のメリットもある。
提供データはLINEの広告枠販売のダシにでもなっているんじゃないだろうか。

試しにAIスコアを算出

試しにJ.Scoreで自分のAIスコアを算出してみると、最初のベーシックな20の質問に答えた段階で685点、追加の質問100問程度に全てに答えた段階で726点だった。
満点は1000点。
答えた質問を後から編集することもできる。
年収を一千万に変えてみると、828点。
未婚を既婚に変えると727点。ただ同じ条件で既婚男性に変えると742点。うん。笑

従来の融資結果から学習した上でパラメータ作って、そのパラメータを各質問に割り当てた感じだろうか。
今の世の中から学習したデータで新しいサービスを発表すると、現状の差別をさらに増幅させる結果になる話もしたいけど、それはまた今度。

「行動が変われば未来も変わる」
習慣をスコア化?

最初のAIスコア算出後も、日常の生活習慣によってスコアが計算し直される、という謳い文句もあったが、使えるのは歩数連携くらいだろう。
読んだ本を登録したり、家計簿をつけたりする機能もあるが、連携できるサービスが少なすぎるJ.Scoreのためにわざわざここに記録するかという。。。
Money forwardのような外部アプリと連携できるならまだしも。

とはいえ、Yahoo!JAPANとの情報連携が可能なので、ヤフーのTポイント購買情報まで使っているなら面白いスコア計算ができるのかもしれない。

信用スコアは何をもたらす?

J.Scoreは中国の信用スコアや、The Circleの世界とは、まだまだ遠いもののようだ。
映画『THE CIRCLE』から考える、技術進歩と情報提供

そもそも登録人数が2019年末にようやく100万人。
中国で普及する信用スコア、芝麻信用の元となるAlipayの登録者数は9億人だし、映画『The Circle』の世界では90%以上の国民がアカウント登録をしていることになっている。
また、連携しているサービスもJ.Scoreはまだまだ少ない。
芝麻信用なら、スコアを上げると賃貸等のデポジットが無料になったり、公的手続きを簡易的に済ませられたりする。

ここで、芝麻信用を活用する中国社会が理想か、というとまた賛否両論あるわけだ。
中国という半独裁国家だから実現できたことであると同時に、中国だからこそ国家に反する発言が信用スコアの低下につながるといった、言論の自由を奪うようなことをしていそうなイメージがある。
現状の芝麻信用の仕組みでも、裁判所に罰金を支払わない、交通違反をした、などの理由で信用スコアは下がり、信用スコアが下がることで鉄道の利用を制限されるなどのデメリットを被る。
大きく信用スコアが下がる要因、上がる要因はオープンになっているので、政府が勝手に個人の信用スコアを操作することはできない。
また、スコアを回復させる方法も公開されている。

とはいえ、SNSの監視やウイグル族の弾圧を行なっているのも事実なので、このシステムが政府の監視に利用されている可能性はある。というか、多分やっている。

オープンでクリアな運用方法が確立されて、どこかの権力者が勝手にスコアを改ざんするようなことができないようにすれば、信用スコアがもたらすのは理想郷なんじゃないだろうか。
ブロックチェーンとか使えないのかな。

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