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未来にあるのは「新しい何か」

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2016年出版の「インターネットの次にくるもの」
ここに書いてることはただのSFか、それとも・・・

インターネットが最初に世に出た頃、人々はそれをチャンネルが500あるテレビだと思っていた。
インターネットで何ができるかを理解しても、10くらいのテレビのチャンネルを24時間埋めるだけでも大変なのに、500チャンネル分のコンテンツなんて作れないと思っていた。
しかし、蓋を開けてみれば、顧客自身が自分でブログを立ち上げ、500どころかそれ以上のチャンネルが開設された。

つまり、新しい技術でできることはいまあるものの応用ではなく、「新しい何か」なのである。

インターネットがテレビの拡張版でなかったのと同じように、インターネットの次に来るものもインターネットの拡張版ではない。

「新しい何か」だ。

いろんな場所で話されている通り、人間の今の仕事はその「新しい何か」に取って代わられる。

しかし、別に悲しむことではない。
本来人間がやるような仕事ではなかったというだけだ。
私たちがやるべきなのはマシンと競争してスキルを高めることではなく、マシンと協調して働くことである。

では、何十年か先の未来、私たちはマシンとどのように協業しているのだろうか。

この本に書かれている未来物語は、ただのSFのようにも見える。
しかし、筆者はこれまでの技術の進化から一定のルール・コンセプトを見出しており、それによってSFにも見える予想物語は現実味を帯びている。

  1. 消費者は生産者になる
  2. 全ての情報はつながる
  3. 所有する必要がなくなる
  4. データ化され、公開される
  5. 情報はフィルタリングされる

消費者は生産者になる

昔は、消費者は消費するだけだった。
映画を作ることは見ることの何十倍も大変な話だったので、生産者は消費者が映像を作るほうに興味を示すとは思いもしなかった。
それが、ビデオカメラができて、編集ソフトが流通して、映像を共有する場ができたらどうなったか。
今や消費者も映画館で映像を消費するだけではなく、自分で映像を作っている。

将来的には、消費者はもっと色んなものを生産するようになる。

それどころか、1度生産されたものも消費されるだけではなく、再生産されるかもしれない。

例えば、音楽はミュージシャンが作ったオリジナル版を改良した改変版やリミックス版が生み出されるようになる。 この流れは最近のボカロではよくある話だろう。 「歌ってみた」「描いてみた」など、一人のミュージシャンが作り出した楽曲が様々な人の手によって改変され、別の世界観を作り出す。

著作権は?という話があるが、別に問題はないだろう。 ある人にとっては改変版が好みでも、オリジナル版に価値を見出す人は必ずいる。 逆に、コピーがあまりにも簡単なデジタル時代にコピーを禁じることのほうが非現実的だ。

「本物」を追求したくなる仕組みを考えなければならない。

すべての情報はつながる

インターネットでは、一つの情報を調べると関連する他の情報も出てくる。

今の本は一冊で完結してしまうが、将来的にはこれも他の情報とつながるようになるかもしれない。

先に述べた通り、消費者も生産する手間を惜しまない。
wikipediaのように、その本を読んだ消費者が本の内容を修正し、他のソースと紐づけ、巨大な知識のネットワークを構築していく。

所有する必要がなくなる

生きていく上では、欲しい時に欲しいものがあれば十分。

Uberを使えば車を所有しなくても必要な時に車をつかえる。
家でも服でもバッグでも、労働力でさえこの流れができている。
シェアしてしまえば自分でモノの整備をする必要がなくなる。

データ化され、公開される

人々はインスタやツイッターで自分の生活を公開することでコンテンツを作っている。
自分が公開したコンテンツに反応が返ってくることが、ユーザーにとっての報酬になっているのだ。

インスタ・ツイッターといった企業も自社のユーザーが公開した情報を再びデータ化すれば、それは大衆の情報として高い価値がつく。
だからユーザーの情報公開を促す。

ユーザーが自分の情報をデータ化し、公開することで得られるメリットはもっと大きく、幅広くなるのではないか。

患者は自分のカルテを公開することで、他の治療を受けている患者と比較し、より良い治療法を見つけ出せる。
ブレーキの回数、スピードといった自分の運転状況を記録すれば、保険会社に自分の運転スキルを証明できるようになる。
自分がいつもどの情報を検索しているのかを記録すれば、もっと興味のある情報にアクセスできるようになる。

データ化する技術も高まっていくだろう。

本を読んでいるとき、どの単語で躓いているか
ー>その単語の注釈が表示される

どの広告看板に注目したか
ー>その商品の詳しい情報が提供される。

情報はフィルタリングされる

現在、すでに情報の嵐だ。

インターネットは膨大な情報にアクセスできるようにした。
消費者も生産するようになったので情報自体が増えた。
メールやSNSで自分にアクセスしてくる人数が増えた。

したがって、これからはどの情報が自分にとって重要かをフィルタリングしてくれる仕組みが必要になる。

例えば、他人にメールを送るのに課金されるようになるかもしれない。
投資家など有名人には、つながりたいと思われた人から大量のメールが届く。
友人や家族からのメールには課金せず、起業家やPR会社からのメールには少々課金することで、課金してでもメールを送りたいと思った人からのメールだけを受け取ることができる。
送信側からすれば、自分のメールがどれほど重要かを示す指標ができるというわけだ。

自分の興味対象がデータ化されるようになれば、マシンがフィルターとなってくれる可能性もある。
生まれてからずっと自分が何に興味を持ったかを記録してきたフィルターがあれば、最適な情報を提供してくれる。 

他にも色々なアイディアがあったが(内容を書き換えられる本型デバイスなど、ハードの未来予測もあった)、このあたりにとどめておく。

ここ何年も、インターネットを始めとする「新しい何か」が生まれてきた。
人と人、マシンと人が協業していけば、不可能だと思われたことも実現してしまう。

新しいアイディアを馬鹿にしてはいけない。
将来生まれるものは、常に現代の延長戦にあるのではなく、新しい組織、新しい考えに基づく新しい何かなのだから。

ハヤブサ ナナミ

一橋大学商学部卒業後、外資系IT企業に就職。学生時代の専攻は財務諸表分析。学外では、就活用LINEchatbotを開発。文系卒SEとして「何を作るべきか」と「どう作るべきか」の両方が分かるようになりたい。英語はまあまあ中国語はもう少し。ちょくちょく海外独り旅。
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